2016年は7冊の本を読んだ

8月 13, 2017


仰臥漫録

★★★★★
日記。何を食べたとか、誰が来たとか。
その時たしかにそこにあった命を感じる。
生々しい。
子規が死の前年の明治34年9月から死の直前まで、俳句・水彩画等を交えて赤裸々に語った稀有な病牀日録。現世への野心と快楽の逞しい夢から失意失望の呻吟、絶叫、号泣に至る人間性情のあらゆる振幅を畳み込んだエッセイであり、命旦夕に迫る子規(1867‐1902)の心境が何の誇張も虚飾もなくうかがわれて、深い感動に誘われる。

板尾日記1

★★★☆☆
まず2を読み、3を読んだのちの1。
やはり2に、3になるにつれ日記に慣れていっている気がする。
1は筆の滑らかさはないが、いちばん正直に書かれているような気がする。
「人の日記を読んだりするのは最低やと思います。」
                  一一板尾創路
可笑しくて、優しくて、心ざわめく365日。板尾創路が1日も欠かす事なく大学ノートに綴った日記を完全初公開。
独特の発想力と芸風で、“お笑い芸人”という枠を突き抜けた異質な存在、板尾創路。漫才、コントだけではなく、最近では俳優として数多くのテレビドラマや映画に出演しています。しかしその活躍の一方で、彼はまた、ミステリアスで、謎のベールに包まれた存在でもあります。そんな天才芸人の頭の中身を、この度日記というかたちでついに垣間見ることができます!! 仕事、プライベート、日々起きた事、ふと思った事……。板尾ワールドをのぞき見したい方必携の一冊です!!
『クイックジャパン』(太田出版)で大好評連載されていた、“シンガー板尾の音楽行進曲”の中から、「傘」、「ホテル住まいの小学生」、「砂渡しジジイ」等を収録しました。

夜を乗り越える

★★★☆☆
数年間何もしなかったとしても、数年間何もしなかったという経験がその人に残る。それは他のだれにもないものである。
というようなことが書かれてある部分があったと思う。
芸人、芥川賞作家・又吉直樹 初の新書
芸人で、芥川賞作家の又吉直樹が、少年期からこれまで読んできた数々の小説を通して、「なぜ本を読むのか」「文学の何がおもしろいのか」「人間とは何か」を考える。
また、大ベストセラーとなった芥川賞受賞作『火花』の創作秘話を初公開するとともに、自らの著作についてそれぞれの想いを明かしていく。
「負のキャラクター」を演じ続けていた少年が、文学に出会い、助けられ、いかに様々な夜を乗り越え生きてきたかを顧みる、著者初の新書。

ぼくの短歌ノート

★★★☆☆
・ 銀杏を食べて鼻血が出ましたかああ出たねと智恵子さんは言う
・ あのこ紙パックのジュースをストローの穴からストローなしで飲み干す
とか
人気歌人にして名エッセイストの著者が、近現代の短歌の中から意想外のテーマで名作・傑作を選びだし、眼からウロコの講評を加えていく。「コップとパックの歌」、「ゼムクリップの歌」、「賞味期限の歌」、「身も蓋もない歌」、「落ちているものの歌」、「間違いのある歌」、「ハイテンションな歌」「殺意の歌」……などなど著者ならではの鮮やかな視点と鋭い言語感覚で、一つの短歌から新たな世界を発見する、魅力に満ちた傑作短歌案内エッセイ。

人生は、パチンコで教わった

★★★★☆
パチンコ屋に行って10円を挟むだけの作業を、今日もそれをせなあかんのかと面倒に思った時、この先何をやったとしてもそんな風に思うことが出てくるのだとすれば、漫才を一生懸命頑張ろうと思えた。
とか
一日中考えてもネタが出てこなかった次の日、ぼーっとしているときにふとネタが思い浮かんで、それやったら昨日一日中ネタ考えんと遊んでおけばよかったと思った、という後輩に、「昨日考えたから今日思い浮かんだんや」。
とか
深い。
「人生はパチンコで教わった」と言い切るほど誰よりもパチンコを愛するブラックマヨネーズ吉田敬の初パチンコエッセイ!
「パチンコは人生のリトルリーグ」「ワゴンレディのケツを振り返るオッサンになったらアカン」「人生も右打ちしたければ、より左側を丁寧にしないとダメ」
など、パチンコから学んだ人生哲学を、数々の爆笑エピソードと共に披露した力作です。
パチンコで縁を深めた奥さんとのここだけの話、確率以上のものを求めて〝宇宙パワー〟に辿り着いた友人のトンデモ発想、MCを務める人気実戦パチンコ番組『ブラマヨ吉田のガケっぱち!!』の裏話など、初公開の話も盛りだくさん。
巻末には若手芸人との『パチンコ酔いどれ対談』も収録。
「パチンコ好きな人はもちろん、よくわからない人でも楽しめる一冊です! 」(本人談)

さよならインターネット

★★★★☆
そうかもしれん。
およそ半世紀前に産声をあげたインターネット。その進化は社会、経済、文化、時間、人、あらゆるものを変化させた。
しかし常時接続、無線接続、IoTのなかでその姿は見えなくなり、自由と可能性に満ちた「世界」は、むしろ閉ざされつつあると家入氏は警告する。
パソコン通信からSNSを経由し、サーバー事業やプラットフォーム事業、さらに都知事選まで、ネットに人生を捧げてきた氏は、なぜ今その「世界」に別れを告げるのか?
果たしてこれから先にやってくる「世界」の姿とは? これは、その「輪郭」を取り戻すための思想の旅。

苦役列車

★★★★★
おもしろかった。
西村賢太さんのほかの作品も読みたいと思った。
劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。解説・石原慎太郎。

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