2017年のおもしろかった本

1月 03, 2018

2017年のおもしろかった本。山崎ナオコーラ『指先からソーダ』。又吉直樹『劇場』。野矢茂樹『はじめて考えるときのように』。内田百閒『クルやお前か』。武者小路実篤『友情』

去年1年間で読んだ中からとくに面白かった5つの本を紹介。
山崎ナオコーラ『指先からソーダ』
又吉直樹『劇場』
野矢茂樹『はじめて考えるときのように』
内田百閒『クルやお前か』
武者小路実篤『友情』


山崎ナオコーラ『指先からソーダ』

山崎ナオコーラ『指先からソーダ』

人のセックスを笑うな」で有名な山崎ナオコーラさんのエッセイ。
「人のセックスを笑うな」は読んだことがないが、「この世は二人組ではできあがらない」は生涯読んだ中で1、2を争うぐらいおもしろかったし、「浮世でランチ」もおもしろかったので。
人との接し方や距離感、ものごとの捉え方が、自分と似ているところが多い気がする。
小説にもそれが出ていて、共感するところが多くおもしろいのだろう。
「人のセックスを笑うな」も今度読んでみた。


又吉直樹『劇場』

又吉直樹『劇場』

ピース又吉直樹さんの2作目。
売れない劇団員の主人公と、明るくよくできた女性との恋愛話。
作者の過去のエッセイや、テレビのエピソードトークで聞いたことのあるシーンが多数登場する。
暗い主人公のせいで、明るくよくできた女性が不幸になっていく。自分が暗いせいで、自分が不幸になるならまだしも、あんなに明るかった女性が不幸になってしまうのはつらい。
僕よりも先に妻が読んでいて、読みながら声を出して笑っているのをよく見た。最後は泣いたらしい。最後どうなるのかを妻から聞いて、読んでいる途中、これが最後にはこうなるのか、と思って泣きそうになった。最後は泣かなかった。どうなるか知ってるから。


野矢茂樹『はじめて考えるときのように』

野矢茂樹『はじめて考えるときのように』

考えるとはどういうことか、考えるための手法について、など考えることについて考えた本。
ライトなギャグやたとえ話のユーモアを交えつつ書かれているので、とても読みやすかった。
考えるというのは耳をすますこと、考えるためには上手な問いの設定が必要、めんどうな計算をすることと考えることはちがう、と僕もあらためて考えるということについて考えた。
もっと早く読んでいたかった。考える時間がたっぷりあったときに、いろんなことについてこの本にあるようにしっかりと考えていれば、今よりも良い人生を送れていたかもしれない。


内田百閒『クルやお前か』

内田百閒『クルやお前か』

前から気になっていた内田百閒。古本屋のワゴンセールで見つけて買った。旺文社文庫。いまは中公文庫の「ノラや」に収録されているようだ。
可愛がっていた猫クルツが死ぬ。そのことについて、その後の暮らしについて書かれたエッセイ。
自分もこういった文章が書けるようになりたい。お手本にしたい文章。
中勘助の「銀の匙」に文体が似ているような気がして調べてみたら、どちらも夏目漱石の弟子らしかった。
俄然、夏目漱石を読んでおかなければならないような気がしてきた。


武者小路実篤『友情』

武者小路実篤『友情』

いろんなところでおもしろいと聞いていて、ようやく読んだ。みんなおもしろいって言うし読んでみようかな、と立ち読みすること数度。そのたびに読みづらさを感じ、買わない。古本屋のワゴンセールで、他にめぼしいものがなく買って読んだ。
読みづらさの正体は、主人公のことを「彼」と言ったり「野島」と言ったりするところだった。一体だれの話をしているのかこんがらがってくる。その読みづらさを乗り越えると、何と面白い話だろうか。
冴えない男の恋心。冴えない男に対するヒロインのわるくない態度。ヒロインを取り巻くグループ。主人公の親友に対するヒロインの恋心。リアリティ。

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